1月12日(水)
■今日からS高校で授業再開。S高校に限らず、この時期の3年生は、進路の決まっているもの、決まっていないもので、ずいぶん生活が変わってくる。
■今考えると、ベビーブーム世代の自分にとって、大学に入るのはとても大変だったようだ。ところが2007年には定員数と志望者数が一致する、大学全入時代を迎える。私立大学の一部は、受験生を獲得しようと推薦合格者を大量に産出することになる。
■S高校の生徒も、多くが推薦入試を突破して、4月には大学生になる。今日授業中に、そんな一人と話をしていて驚いた。彼はΣを見たこともないというのだ。教科書が途中で終わったため、授業でやっていないという。理系の学部に進む彼にとって、Σを知らないというのは、かなり問題だと思う。Σというのは和を表す大変便利な記号で、エクセルの画面にも、この記号は表示されている。
■もし仮に推薦入学という制度がなかったら、Σを知らない彼が、理系の学部に合格することは恐らくない。しかし、いま現実の話として、彼は4月には大学生になる。今は大学から送られてきた課題が大変だという。中身を見れば、どこかの予備校が作成依頼されたと思われるものだった。現に、違う大学に入学が決まったある生徒も、まったく同じテキストが送られてきたと言っていた。
■なにに憤慨しているのだ?なにを心配しているんだろうか。こうやって文章を書きながら考える。運転技術が未熟なものに運転させるのではない。運転する術がないものを、公道に送り出す、そんな気分なのだ。客観的に考えて、送り出すべきではないだろう。しかし、進もうとする本人を制止するわけにもいかない。・・・そうだ、たぶんこうだ。
つまり残念に思っているのだ。
■安易に増えすぎた大学、高校の進路指導、国の教育政策、いつも「子供のため・生徒のため」と言ってきた。そんな渦の中で、まるで希望を手に入れたように振舞う彼のことを。中心に据えた主人公は、実態のない架空の人物ではないのに。
Recent Comments