もう次のこと
3月28日(月)
■雨の一日だった。
■ユニークポイントは今、オフである。5月の韓国公演の準備は、4月から。昨年、松本、甲府、東京と、いずれも劇場以外での上演だったが、その都度作り直してきたたので、どんな場所での上演にも柔軟に対応できる作品に成長した。しかし、問題は、俳優の勘みたいなもので、つまり「台詞の間」や「声量の感じ」「身体の置き方」のようなものだが、これを思い出すのに時間がかかると思われる。これは稽古が楽しみだ。
■自分はといえば、9月の新作について、頭を悩ませる日々だ。すでにモチーフは決まっているわけだが、これをどうするか。
■それで、賞をいただいた「トリガー」に話は戻るわけだが、何人かの人に、
予想以上のインパクト、新しい世界観の提示がない
と言われたり、ネットなどに書かれていることを知っている。つまり、介護に疲れての殺人というモチーフは、すでに小説などで優れた世界感の提示がなされており、それを超えるものがない、という論調だ。
■今度のモチーフに関しても、モチーフ自体はなんら目新しいものではないので、この部分で悩むし、考える。いや、新しい世界感を提示しよう、と考えているわけじゃない。そこに自分のモチベーションはあまりない。考えるべきなのは、どんな新しい世界感を提示するかではなく、作品に重量感を与える仕掛けのようなもので、ここをクリアーできれば、やる意味はあると思うからだ。
■日本の若い演劇人は、あまり古典をやらず、これが「新作至上主義」であるとし、「演劇的知の蓄積」の観点からすると不幸な状況であると、そんな声もある。事実、私は「マクベス」も「リア王」も「三人姉妹」も演出したことがない。しかしながら、今ある問題に、新しい観点を注入するだけが、演劇の意味ではないと思っている。新しいものがなければ、価値がないわけじゃないだろう。そういう意味で、脚本上、目新しさでじゃなく、どう持っていこうか。もちろん、目新しさも無視してるわけじゃないけど、そんなことを考える日々。


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